概要
インボイス制度への対応に伴い、資産・リース資産の汎用データに項目が追加されました。
汎用データで受け入れている場合は確認のうえ、状況に応じて対応します。
変更内容
受入項目に、「インボイス取引区分」が追加されました。
対応が必要なデータ
資産やリース資産の取引データの中に、「免税事業者等」からの購入やリース契約が含まれる汎用データについて変更が必要です。
以下のすべてに該当する場合は、免税事業者等との取引において仕入税額控除の経過措置への対応が必要です。
「免税事業者等」からの購入やリース契約をしない場合は対応の必要はなく、今までのデータを受け入れできます。
- 免税事業者等との取引(資産の購入・リース資産の契約)
- 2023年10月 1日以後の取引
取引先を管理している場合の資産データ・リース資産データの受入
汎用データの受入項目
取引先を管理している場合の資産データ(資産の購入やリース契約)の受け入れでは、以下のように適切な申告書計算区分が設定されるため、汎用データに今回追加された受入項目を追加する必要はありません。
汎用データでセットされている「購入先コード」(リース資産の場合は「リース会社コード」)をもとに、[取引先登録]メニューで事前に設定した「インボイス登録区分(0:適格請求書発行事業者 1:免税事業者等)」にしたがって資産やリース契約の「インボイス取引区分」が設定されます。「1:免税事業者等」の場合は、免税事業者等専用の申告書計算区分名が自動で設定されます。
(A)資産データの場合
自動で設定される項目名 | 受入記号 |
---|---|
インボイス取引区分(取得価額) | FAFA043 |
(B)リース資産データの場合
自動で設定される項目名 | 受入記号 |
---|---|
インボイス取引区分(リース料支払) | FALA186 |
参考 |
取引先を管理している場合の事前設定は、こちらをご参照ください。 |
受入項目へのデータのセット
今まで、「0:その他」のスポット取引先で受け入れていた資産データ(資産の購入やリース契約)の場合は、受入項目「購入先コード」(リース資産の場合は「リース会社コード」)へのデータのセットを変更する必要があります。
スポットの免税事業者等から購入やリース契約した取引データの場合は、購入先コード(リース資産の場合は「リース会社コード」)に「0:その他」の代わりに事前準備で追加した「免税事業者等用のスポット取引先」のコードをセットします。
(A)資産データの場合
値をセットする項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
購入先コード | FAFA013 |
「0:その他」の代わりに事前準備で追加した「免税事業者等用のスポット取引先」のコードをセットします。 |
(B)リース資産データの場合
値をセットする項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
リース会社コード | FALA005 |
「0:その他」の代わりに事前準備で追加した「免税事業者等用のスポット取引先」のコードをセットします。 |
取引先を管理していない場合の資産データ・リース資産データの受入
取引先を管理していない場合の資産データ(資産の購入やリース契約)のうち、免税事業者等からの資産の購入やリース契約した取引データの場合は、以下のいずれかの対応をすることで免税事業者等専用の申告書計算区分名が設定されます。
事前準備で設定した方法別にご紹介します。
- 取引先に設定して対応する場合
- 資産入力時に「インボイス取引区分」を指定して対応する場合
参考 | 取引先を管理していない場合の事前設定は、こちらをご参照ください。 |
取引先を1つ用意して対応する場合
汎用データの受入項目
汎用データに「購入先コード」(リース資産の場合は「リース会社コード」)項目がない場合は、追加する必要があります。
受入項目へのデータのセット
- 免税事業者等との取引(資産の購入・リース資産の契約)の場合は、受入項目「購入先コード」(リース資産の場合は「リース会社コード」)にデータをセットする必要があります。
購入先コード(リース資産の場合は「リース会社コード」)に、事前準備で追加した「免税事業者等との取引用」のコードをセットします。
インボイス取引区分が自動で設定されます。 - 適格請求書発行事業者との取引(資産の購入・リース資産の契約)の場合は、受入項目「購入先コード」(リース資産の場合は「リース会社コード」)に「空白」をセットします。
(A)資産データの場合
値をセットする項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
購入先コード | FAFA013 |
|
自動で設定される項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
インボイス取引区分 (取得価額) |
FAFA043 |
- |
(B)リース資産データの場合
値をセットする項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
リース会社コード | FALA005 |
|
自動で設定される項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
インボイス取引区分 (リース料支払) |
FALA186 |
- |
資産入力時に「インボイス取引区分」を指定して対応する場合
汎用データの受入項目
汎用データに、「インボイス取引区分」項目を追加する必要があります。
受入項目へのデータのセット
- 免税事業者等との取引(資産の購入・リース資産の契約)の場合は、受入項目「インボイス取引区分」にデータをセットする必要があります。
インボイス取引区分に「1:免税事業者等から購入」をセットします。免税事業者等専用の申告書計算区分名が自動で設定されます。 - 適格請求書発行事業者との取引(資産の購入・リース資産の契約)の場合は、受入項目「インボイス取引区分」に「空白」をセットします。
(A)資産データの場合
値をセットする項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
<追加> インボイス取引区分 (取得価額) |
FAFA043 |
取引相手に応じて値をセットします。 |
(B)リース資産データの場合
値をセットする項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
<追加> インボイス取引区分 (リース料支払) |
FALA186 |
取引相手に応じて値をセットします。 |
参考 |
今回の追加項目が反映された「汎用データ受入形式一覧表(Excelファイル)」は、当製品の『操作説明(ヘルプ)』で確認できます。
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消費税額の計算例
「税抜経理方式」の企業の場合は、以下のようにデータをセットすることで、仕入税額控除割合を加味した消費税額を計算して受け入れできます。
セット方法は2023年10月 1日より前までと変わりませんが、仕入税額控除できない消費税額を取得価額に上乗せする場合の計算例を紹介します。
受入項目へのデータのセット
[会計期間設定]メニューの「免税事業者等との取引で仕入税額控除できない消費税額」が「1:取得価額に上乗せする」の場合で、「インボイス取引区分」が「1:免税事業者等から購入」の場合は、「取得価額」に税込金額をセットし「消費税額」に空欄をセットすることで、消費税額が計算されて、当製品に登録されます。
値をセットする項目名 | 受入記号 | 対応 |
---|---|---|
取得価額 | FAFA007 |
税込金額をセットします。 |
消費税額 | FAFA014 |
空欄をセットします。 |
具体例
例 | 取得価額(税込)11,000円の資産を受け入れたい。消費税額は、受け入れ時に計算させたい。 |
セットするデータ
項目名 | 値 |
---|---|
取得価額 | 11000 |
消費税額 | (空欄) |
当製品に登録される消費税額
[会計期間設定]メニューの「免税事業者等との取引で仕入税額控除できない消費税額」の設定によって、受け入れ後の「取得価額」「消費税額」の金額が変わります。
- 取得価額に上乗せする設定で運用している場合
免税事業者等から購入した取得価額の消費税額は、控除割合(80%)の消費税額で自動計算されます。取得価額 10,200 控除割合(80%)を加味した金額 消費税額 800 控除割合(80%)を加味した金額 - 取得価額に上乗せしない設定で運用している場合
免税事業者等から購入した取得価額の消費税額は、適格請求書発行事業者との取引と同じように消費税率で自動計算されます。取得価額 10,000 税抜金額 消費税額 1,000 消費税率で自動計算