概要
免税事業者等との取引について、以下の登録内容をチェックする手順を紹介します。
- 取引先のインボイス登録区分が正しいか
- 免税事業者等(または適格請求書発行事業者)との取引で、資産に適切なインボイス取引区分が設定されているか
- 仕入税額控除できない消費税額を取得価額に上乗せする場合の、取得価額・消費税額が正しいか
なお、チェックの目安として、『勘定奉行』への仕訳連携の前に実施すると、適切な税区分や金額で連携できます。
取引先のインボイス登録区分が正しいかチェックする
取引先の適格請求書発行事業者と免税事業者等の区分け(インボイス登録区分)を確認し、正しくない取引先があれば変更します。
- [導入処理 ‐ 取引先登録]メニューを選択します。
- 取引先コードを指定します。
- インボイス登録区分の、「0:適格請求書発行事業者」と「1:免税事業者等」の区分けが正しいかを確認します。
参考 |
区分けが正しくない取引先があった場合は、以下の「資産に適切なインボイス取引区分が設定されているかをチェックする」をご参照のうえ、該当の取引先から購入した資産を修正してください。 |
資産に適切なインボイス取引区分が設定されているかをチェックする
インボイス取引区分をチェックするため、対象資産の汎用データをExcelに出力します。
それに伴い、事前に免税事業者等の取引先コードを汎用データで出力します。
例 | 免税事業者等の購入先に、適格請求書発行事業者との取引用の「インボイス取引区分(取得価額)」が使用されていないかをチェックする。 |
1. 免税事業者等の取引先コードを確認する
インボイス取引区分のチェック時に、免税事業者等の取引先コード(購入先コード)を入力する必要があるため、以下の手順で取引先コードの一覧を出力します。
- [随時処理 ‐ 汎用データ作成 ‐ マスターデータ作成 ‐ 取引先データ作成]メニューを選択します。
- [取引先データ作成 - 出力条件設定]画面の[出力設定]ページで以下のように設定します。
- ファイルの種類:「Excelファイル」
- 出力時の動作:「Microsoft Excel を起動する」
- [項目選択]ページで、以下の項目を「選択済項目」に追加します。
- 取引先コード
- 取引先名1
- インボイス登録区分
- [出力開始]ボタンをクリックします。
- Excelに取引先の一覧が出力されるので、「インボイス登録区分」が「免税事業者等」の取引先コードを確認します。
2. 資産に適切な「インボイス取引区分(取得価額)」が設定されているかをチェックする
- [随時処理 ‐ 汎用データ作成 ‐ 資産データ作成 ‐ 資産データ作成]メニューを選択します。
- [資産データ作成 - パターン選択]画面で[新規]ボタンをクリックします。
- [出力条件1]ページで以下の設定をします。
- パターンコード、パターン名を入力します。
パターン名は以下にします。
「免税事業者のインボイス取引区分(取得価額)」 - 絞込対象日付を設定します。
- 絞込対象:「取得日付」
- 絞込日付:施行日(2023年10月 1日)以降で、今回チェックする日付範囲を指定します。
- パターンコード、パターン名を入力します。
- [出力条件2]ページで、出力する資産の償却方法を設定します。
出力したい償却方法を「選択済項目」に移動します。 - [詳細条件]ページで、購入先が免税事業者等の明細を出力するように絞込条件を設定します。
- 以下のように設定します。
- 情報種類:「基本」
- 項目:「購入先コード」
- 条件値:免税事業者等の購入先コード(「1. 免税事業者等の取引先コードを確認する」で確認した免税事業者等の取引先コード)
- 条件:「等しい」
- [登録]ボタンをクリックして、検索条件内容に追加します。
参考 免税事業者等の購入先が複数ある場合は、①②を繰り返して購入先を追加します。
- 以下のように設定します。
- [出力設定]ページで、以下のように設定します。
- ファイルの種類:「Excelファイル」
- 出力時の動作:「Microsoft Excel を起動する」
- [項目選択]ページで、以下の項目を「選択済項目」に追加します。
- 資産コード
- 資産名
- 購入先コード
- 購入先名
- インボイス取引区分(取得価額)
- [出力開始]ボタンをクリックします。
- 免税事業者等の購入先にもかかわらず「インボイス取引区分」が「0:適格請求書発行事業者から購入」になっている資産がないかを確認します。
参考 変更が必要な資産がある場合は、以下のように修正します。
1. [資産管理 - 資産登録 - 資産登録]メニューで該当資産を表示させます。
2. 取得価額の消費税額にカーソルがある状態で、[F8:消費税設定]を押します。
3. インボイス取引区分を「1:免税事業者等から購入」に変更します。
参考 |
上記手順で、パターン選択に「免税事業者のインボイス取引区分(取得価額)」パターンが追加されます。次回以降は、このパターンを使用してチェックできます。
|
3. 「インボイス取引区分(処分費用)」をチェックする
上記で用意した「免税事業者のインボイス取引区分(取得価額)」のパターンを複写し、以下の条件を変更します。
- 絞込対象日付を「除却日付」に変更
- 選択項目を「インボイス取引区分(処分費用)」に差し替え
前述の「インボイス取引区分(取得価額)」のチェックを参考に、インボイス取引区分が正しいことを確認します。
4. 「インボイス取引区分(資産除去債務決済額)」をチェックする(『奉行V ERP』をご利用の場合)
上記で用意した「免税事業者のインボイス取引区分(取得価額)」のパターンを複写し、以下の条件を変更します。
- 絞込対象日付を「指定なし」にクリア
- [詳細条件]ページで「履行日付」を再指定
条件値は、施行日(2023年10月 1日)以降で、今回チェックする日付範囲を指定します。 - 選択項目を「インボイス取引区分(処分費用)」に差し替え
前述の「インボイス取引区分(取得価額)」のチェックを参考に、インボイス取引区分が正しいことを確認します。
取得価額・消費税額が正しいかをチェックする(仕入税額控除できない消費税額を取得価額に上乗せする場合)
「税抜経理方式」の企業の場合に、仕入税額控除割合が加味された消費税額かをチェックします。
前述、「資産に適切なインボイス取引区分が設定されているかをチェックする」で用意したパターンを利用します。
- [随時処理 ‐ 汎用データ作成 ‐ 資産データ作成 ‐ 資産データ作成]メニューを選択します。
- [資産データ作成 - パターン選択]画面で、「免税事業者のインボイス取引区分(取得価額)」パターンを選択し、[OK]ボタンをクリックします。
- [項目選択]ページで、以下の項目を「選択済項目」に設定します。
- 資産コード
- 資産名
- 購入先コード
- 購入先名
- 取得価額(税込) ←追加
- 取得価額 ←追加
- 取得価額 消費税額 ←追加
- 取得価額 消費税率 ←追加
- インボイス取引区分(取得価額)
- [出力開始]ボタンをクリックします。
- 「取得価額」と「取得価額 消費税額」を見比べて、消費税額が取得価額の10%のまま(仕入税額控除割合が加味されていない消費税額)かを確認します。
参考 修正が必要な資産がある場合は、以下のように修正します。
1.[資産管理 - 資産登録 - 資産登録]メニューで該当資産を表示させます。
2. 取得価額・消費税額を変更します。
処分費用・資産除去債務決済額・消費税額が正しいかをチェックする
前述、「インボイス取引区分(処分費用)」または「インボイス取引区分(資産除去債務決済額)」のチェックで用意したパターンを利用します。
- [随時処理 ‐ 汎用データ作成 ‐ 資産データ作成 ‐ 資産データ作成]メニューを選択します。
- [資産データ作成 - パターン選択]画面で、それぞれのパターンを選択します。
- [項目選択]ページを設定します。
前述の「取得価額・消費税額が正しいかをチェックする」のチェック手順の3. で追加する項目名を「取得価額」から「処分費用」または「資産除去債務決済額」に読み替えます。 - 消費税額が10%(仕入税額控除割合が加味されていない消費税額)かを確認します。
消費税額が10%の資産がある場合は、修正します。