回答
企業型確定拠出年金は、企業が掛金を拠出する年金制度であるため、通常は給与や賞与の明細書に記載する必要はありません。
ただし、従業員への制度の周知や拠出した金額が分かるように、以下のような方法で明細書上に制度の運用状況を示すことも可能です。
- 支給項目として記載(例:選択制企業型年金)
- 控除項目として記載(例:マッチング拠出制)
- 備考欄や欄外に制度の概要や掛金を記載
まずは、導入している年金制度が以下のいずれに該当するかをご確認ください。
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選択制企業型年金
従業員が確定年金への加入、未加入を選択でき、従業員が給与(賞与)の一部を「給与で受け取る」か「確定拠出年金(企業型DC)の掛金として拠出する」かを選択できる制度です。
給与の一部を確定拠出年金(企業型DC)の掛金に振り替える場合は、その金額は給与明細に記載することが望ましいです。 - マッチング拠出制
企業が拠出する掛金に加え、従業員が任意で上乗せして掛金を拠出できる制度です。
企業分の掛金は企業が負担するので明細書に記載する必要はありませんが、個人分は従業員が拠出するので、給与(賞与)から差し引きます。
選択制企業型年金
設定前に、社労士または加入先の金融機関/保険会社に以下の条件を確認します。
- 給与(賞与)明細のどこに金額を表示させたいか(支給項目、控除項目、欄外など)
- 課税支給額に含めるか
- 残業単価の計算に含めるか
- 欠勤や遅刻早退の減額金単価の計算に含めるか
- 雇用保険料の対象か
- 標準報酬を決めるときの報酬額に含めるか、また固定的賃金の対象か
設定例
支給項目に記載する場合
[導入処理 - 給与体系登録 - 勤怠支給控除項目登録 - 勤怠支給控除項目登録](導入処理 - 給与体系登録 - 勤怠支給控除項目登録])メニューの[支給]ページで給与支給用項目と確定拠出金用項目を用意し、属性を設定します。
確定拠出年金(企業型DC)の掛金は残業単価の計算に含める計算とします。
例 |
ライフプラン手当(50,000 円)のうち、一部をDC掛金(20,000 円)とする場合
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支給項目と控除項目に記載する場合
[導入処理 - 給与体系登録 - 勤怠支給控除項目登録 - 勤怠支給控除項目登録](導入処理 - 給与体系登録 - 勤怠支給控除項目登録])メニューの[支給]ページと[控除]ページに項目を用意して、属性を設定します。
確定拠出年金(企業型DC)の掛金は残業単価の計算に含める計算とします。
例 |
給与の一部をライフプラン手当(30,000 円)と、DC掛金(20,000 円)とする場合
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参考 | 欄外にも金額を記載したい場合は、「メモ機能」を利用します。 詳細は、ヘルプセンターの「社員に対するコメントなど、給与(賞与)データ以外の情報を明細書に印字(表示)できますか」をご参照ください。 |
マッチング拠出制
従業員負担の掛金分は、[導入処理 - 給与体系登録 - 勤怠支給控除項目登録 - 勤怠支給控除項目登録](導入処理 - 給与体系登録 - 勤怠支給控除項目登録])メニュー の[控除]ページで、控除項目を用意して社保扱い対象を「2:小規模共済掛金」にします。それ以外の属性は、任意の内容で設定します。